第2話までの「助走期間」を経て、いよいよテンポ良く展開してきた第3話。
各キャラがとても機能し始めた回でした。そして伏線もいっぱい。今回はあらすじを追うというよりドラマの中に散りばめられた“エッセンス”を中心に考察していきます。
神木隆之介=三谷幸喜 蓬莱省吾のモデル考察
神木隆之介さん演じる蓬莱省吾は、どうやら脚本家・三谷幸喜さんご自身がモデルのよう。
「コント山口くんと竹田くん」の作家を務めたこともあるという三谷さん。その経験が、このキャラクターに投影されているのかもしれません。お笑いへの
菅田将暉の“脚本執筆”シーンに漂う1984年の空気感
主人公・久部(菅田将暉)がアパートで脚本を書くシーン。
美術セットの再現度が高い!
花柄のポットや鍋など、昭和の香り漂う小道具たち。下北沢の古道具屋で今も見かけます。小さい頃おじいちゃん家で見たリアルです。
残念なポイントが・・執筆途中で久部の持つペンが変わった
昭和の作家は鉛筆派が多かっただけに、あ、シャーペンなんだ。0.5じゃなくて製図用の0.9かな?とか思ってたら、さりげなくボールペンに差し代わってました。昭和末期から平成にかけての業界にいた人ならあるあるですが、手書きの原稿をリライトする仕事があったのです。
オープンセットが懐かしすぎる80年代渋谷!
オープンセットの街並みは、80年代に10代を過ごした世代にはたまらない懐かしさ。
おそらく渋谷・道玄坂あたりがモデルなのでしょうか
当時はもっともっと、いかがわしさが漂っていて、近寄りがたい雰囲気があったものです。
二階堂ふみのソバージュが完璧すぎる!
そして何より印象的だったのが、二階堂ふみさんのソバージュヘア。
まさに“80年代のイケてる女”を体現。
当時の映画やドラマでは、ソバージュこそトレンドでした。
劇場やジャズ喫茶のセットも完璧。
ベロアの椅子やミラーボールが“あの時代の夜”を思い出させてくれます。
渋谷の旧OS劇場があった場所近辺には今もその空気が残ってる居酒屋があります。地下に降りて激安で美味い居酒屋「山形」。店内のそこかしこに80年代の香りする椅子やカウンターなどがあります。
<本読み〜立ち稽古>シーンでキャラが躍動
市原隼人さん演じるトニーが声の小ささで怒られるくだり、最高でした。
その後、久部と共に劇団へ殴り込みに行くセリフ対決シーンは見応え十分。
どこまでも市原隼人らしい熱量。
1話・2話でキャラが丁寧に紹介されたからこそ、この掛け合いが活きています。
バイキング西村の芝居が上手すぎる!
ボケとツッコミを逆転させて演じるシーンでは、芸人としての地力を感じました。
コント師はやはり芝居がうまい。
不器用そうでいて、芯のあるお芝居でした。
三谷節、ここにあり。「王様のレストラン」的痛快さ
軽快なテンポ、キャラ同士の丁々発止、絶妙なユーモア。
まさに三谷幸喜ワールド全開。
「王様のレストラン」や「古畑任三郎」に通じる痛快さとエンタメ感が炸裂しています。
次回への期待が一気に高まる構成でした。
目力が強めのキャストたち
3話まで見て感じるのは、全員が目でお芝居しているということ。
菅田将暉、二階堂ふみ、市原隼人、西村瑞樹——全員が目力でドラマを引っ張る。
これ、演出の狙いなのかもしれません。
菊地凛子×浅野フレ=“閑話休題”の妙
菊地凛子さん演じる占いおばばと浅野フレの掛け合いも秀逸。
どこか懐かしい“間”があって、ムー一族の樹木希林×郷ひろみを思い出しました。
こうしたサイドストーリー的なシーンが、物語を滑らかにつなぐナレーション的役割を果たしています。菊地凛子が樹木希林さんにしか見えなくなった。ツボです。
見進めるほどに感じるのは、単に時代設定が80年代というだけでなくドラマの作り方も温故知新。80年代の演出手法を現代的な視点で再構築してるのでしょうか。『ラヂオの時間』もそうでしたね。演劇の基本ってことでしょうか。
今後の展開に注目!
- ステージ上の巨大蚊取り線香──どんなオチを迎えるのか?
- 久部とリカの関係性──恋愛というより“サクセスストーリー”の予感。
- ブラウン管の演出──何を象徴しているのか? テレビ業界の比喩にも見える。
第3話まとめ
第3話は、物語が動き始めた転換点。
久部とリカの関係がじわじわ深まり、
三谷幸喜ワールドのギアが完全に入った回でした。
次回、舞台と現実がどう交差していくのか——
ますます目が離せません。

