ベテランボクサーが活躍中
井岡一翔をはじめ“元世界王者”という肩書きの現役ボクサーが日本には沢山いる。それはそれでありがたい時代になったなと感じますが。海外ではパッキャオが復帰したり、メイウェザーとタイソンがエキシビジョンマッチするとかしないとか(正直これはもう見たくない。)
元世界王者の現役日本人選手 ※個人調べ
武居由樹、井上拓真、井岡一翔、岩田翔吉、谷口将隆、尾川賢一、亀田和毅、寺地拳四朗、西田凌佑、ユーリ阿久井、小國以載、中谷潤人
このうち30歳オーバーのベテラン選手が井岡、尾川、亀田、寺地の4人。ここ数年、世界戦もしくは世界前哨戦扱いの試合を行なっているが、元IBF世界スーパーフェザー級王者の尾川だけが悲運の現役生活を送っている。
3年前の王者陥落後、平場の試合で4戦4勝3KO、いまだ世界再挑戦の具体的な声が聞こえてこない…なぜか。
波乱のチャンピオンロード
2017年12月9日アメリカ・ネバダ州
IBFスーパーフェザー級5位のテヴィン・ファーマー(アメリカ)とIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦を行い判定勝利。
明けて2018年、ネバダ州コミッションはドーピング検査で禁止薬物が検出されたとし、試合は無効、王座獲得は幻となってしまった。そもそも何に反応したのか本人もわからないとのこと。なんか適当なこと言って、剥奪したかっただけなんじゃないの?
そして、あまりに時間がかかり過ぎてないかという疑問はあるが、裁定は覆らない。ネバダ州では半年、JBCからも1年間のライセンス停止処分。この時すでに30歳。結構きついよね。どう思っていたのか知りたい。
その後、復帰4戦3勝1分でチャンスをつかむ。IBFスーパーフェザー級王座決定戦が決まるが、相手の同級1位のシャフカッツ・ラヒモフが怪我のため延期と変更が発表。このあたりも何か持ってない感が出てる。
2021年11月27日 アメリカ・ニューヨーク
同級2位アジンガ・フジレ(南アフリカ)とIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦で判定勝ち。敵地で勝ち切るって偉業に近いと思う。やっと正真正銘ベルトを掴んだ。
2022年6月4日 ウェールズ・カーディフ
IBFスーパーフェザー級王座 初防衛戦 相手はジョー・コルディナ(ウェールズ)、オーソドックス。結果は2ラウンドKO負け。
つくづく思うが、なぜ毎回アウェイなんだ?コロナ禍も挟んだりしてマッチメイクの大変さは想像しますが。せめて初防衛戦は日本でやれなかったのかな。
それにしても、オガケンはサウスポーに強い。テヴィン・ファーマー、アジンガ・フジレはサウスポーで勝利。敗れたコルディナは、オーソドックスでしたね。オーソドックスが苦手とかはないでしょうけど、サウスポーは得意なのは間違いない。踏み込みが上手い印象があります。
スーパーフェザー“怪物”が生まれる階級
バンタムやフライと比べ、スーパーフェザー級はファイトマネーも高いと聞く。そもそも日本で試合を組むこと自体が難しい。やはり日本人のメジャーウェイトではない。おそらく日本人のフライ級が、海外選手にすればフェザー、スーパーフェザーの感覚なのかな。体格、骨格の差がそのくらいある。
そして、すぐ上にはライト、スーパーライト、ウェルターがあり、複数階級を目論む“怪物”が棲む階級だ。“メイウェザー”と“パッキャオ”もスーパーフェザー級で獲ってますしね。
尾川堅一の世界挑戦は見てみたい!
そんなスーパーフェザー級で世界ランキングも取り戻した尾川の再起5戦目が11月1日に行われる。結果はもちろん、内容で圧倒して世界挑戦へアピールできるか?気になるのは、再起戦は全部外国人。日本人ランカーもひしめき合ってる激戦階級なのにと思ってしまう。やや渋滞気味。誰とやっても勝負論あるのに。でもここで日本人同士で潰しあう必要はないかなとも思う。
尾川の風貌も好き。あのヒゲと髪の色。輩っぽいけど昔のボクサーって感じ。ナチュラルなスーパーフェザー級。複数階級の王者も凄いが、自分の階級一筋ってところが、昭和からボクシングをみてきたファンには刺さるものがある。
所属の帝拳ジムには高見亨介、松本流星と続々若いチャンピオンが誕生しているし、OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者の波田大和がいるし、やりにくいよね普通。でも会場でよく見かける姿は後輩たちに慕われてるみたいだから問題なしかな。でないと、この歳までやれないよね。
ベテラン踏ん張りどころ。もう一度、世界獲って子ども達をリングで抱き抱えるのを見せてください。オガケン!もっかい世界を獲ってください!

