第2話は、物語の核となる「ノナマーレ」という会社と、そこで行われる“ミッション”の本質が少しずつ見えてきた回でした。
<あらすじ>
「ノナマーレ」で“触れている間だけ心の声が聞こえる”能力を得た文太(大泉洋)。初ミッションを終えたものの、「これが世界を救うのか?」と納得できない。仮初の妻・四季(宮﨑あおい)はなぜか本気で文太を夫だと思い込み、同居生活は混乱の連続。そんな中、新たな指令【ある画家が目的地に着くのを阻止せよ】が届く。意味不明な任務に戸惑いつつも、仲間の桜介(ディーン・フジオカ)、円寂(高畑淳子)、半蔵(宇野祥平)と共に箱根へ向かう文太。そこに四季まで巻き込まれ、奇妙な“世界救済”ミッションが始まる——。
■兆(岡田将生)との会話で見えたテーマの本質
冒頭、社長・兆(岡田将生)と文太(大泉洋)の会話で、「ミッションは対象人物に良い変化をもたらすもの」だと語られます。
つまり、ノナマーレの任務は“未来を良い方向に導く”ためのもの。兆という名前自体が“兆し”=物事が起ころうとする気配を意味し、未来を察知できる人物、あるいは「未来予知システム」を操る存在として描かれています。
このやり取りから垣間見えるのは、“小さな出来事が大きな変化を生む”というバタフライエフェクト的なテーマ。
「ちょっとだけエスパー」というタイトルの“ちょっとだけ”は、まさにこの理論の象徴なのかもしれません。
■エスパーたちの“ちょっとだけ”な能力紹介
今回も登場するノナマーレの面々は個性的。
- 文太=タッチで心の声を聞く
- 桜介(ディーン・フジオカ)=なでると花を咲かせる
- 半蔵(宇野祥平)=動物にお願いできる
- 円寂(高畑淳子)=念じて電子レンジ加熱(200Wだけ)
どれも“ちょっとだけ”な能力。派手さはないけれど、その小さな力が世界を少しずつ変えていく。ここにドラマのブレない軸があります。
■第2話のミッション「画家を目的地に着かせるな」
今回の課題は謎めいたもの。
贋作を描く画家を“目的地に着かせない”という、漠然とした指令。行動を阻止すれば簡単に解決しそうですが、文太は“説得”という道を選びます。
画家が描いていたのは、天使の絵。そこに添えられた名前は「パウル・クレー」。
野木亜紀子作品でよく登場する米津玄師が愛する画家でもあり、「MIU404」を彷彿とさせる哲学的なテーマが漂います。
善悪では割り切れない問いかけ。やりたいことをやればいいのか、それとも社会的正しさを取るのか——。
文太の言葉により、画家は贋作をやめる決意をします。
しかし待っていたのは、野木脚本らしい“残酷で無情な”結末。
「正しさ」と「救い」の境界線がにじむ、印象的なラストでした。
■気になる伏線と“タコ”の謎
今回は細かい小ネタも満載。
- カプセルは1週間に1回服用が必要
- ノナマーレにはさらに上の存在がいる?
- 桜介の口癖「花咲かせよか?」が伏線っぽい
- 四季(宮﨑あおい)の過去が少し明らかに
- そして“タコ”モチーフの異様な多さ!
半蔵のタコさんウィンナー柄シャツ、四季が作るタコ料理、そして公式HPのタコイラスト。さらに北村匠海の紹介に「たこ焼き研究会」……。この“タコ”が何を意味するのか、気になる仕掛けです。
■第2話のまとめ
第2話は、一見ユルく見えて実は壮大なテーマが潜む回。
「ちょっとだけ」の力が世界を変える、“兆し”の物語。
小さな優しさが未来を救うかもしれない——そんな希望と、野木脚本らしい皮肉が絶妙に混ざり合った一本でした。
💡次回予告への期待
四季の過去、ノナマーレの正体、そしてタコの謎。
この“ちょっとだけ”不思議な世界は、確実に深まっていく気配があります。

