『ちょっとだけエスパー』第3話レビュー|それぞれの秘密と、四季の過去に迫る伏線回

ドラマ
『ちょっとだけエスパー』火曜よる9時【テレビ朝日公式】Xより引用

第3話にして、ついに登場人物たちの背景が本格的に描かれ始めた。これまで謎に包まれていた「ノナマーレ」のメンバーたちの過去や秘密、そして“なぜ彼らがエスパーになったのか”の手がかりが少しずつ浮かび上がる。心で望んでいたものが力として宿る。


半蔵(宇野祥平)の過去――元警察官のトラウマ

寡黙な半蔵の口から、自身の過去が明かされる。
かつて警察犬係だった彼は、動物虐待を行う犯人を激昂のあまり手を出してしまった。
動物と心を通わせられる“ちょっとだけ能力”は、そんな自責の念から生まれたのかもしれない。


円寂(高畑淳子)の“煩悩と解放”

質素な生活を送りながら、煩悩からの解放を目指す円寂。だが、まだまだその裏に何か秘密が隠されていそうな素振り。
彼女の「ちょっとだけ温かくなる」能力は、何を象徴しているのだろうか。温もり=救いを求めているのか、温めたいと願ったことは過去エピソードが楽しみ。


恒例の英語オープニングメッセージ

BUNTA LEARNS ABOUT OSUKE.
HE REMEMBERED HIS FATHER.
A DOG BARKED, SPARKS FLEW.
THE ESPER’S BECOME A LITTLE BIT LIKE HEROES.

「ブンタはオースケのことを知る。父親のことを思い出した。
 犬が吠え、火花が散った。エスパーたちは少しだけヒーローらしくなった。」

まさに今回のストーリーを要約する言葉。文太(大泉洋)が仲間たちの過去を知り、彼らが“ヒーローの片鱗”を見せ始める回だ。エスパーたちと複数形になってるところがポイントですかね。


兆(岡田将生)が語る“ノナマーレの掟”

兆は「病は気から、ヒーローはその気から」と語り、さらにノナマーレのルールを明かす。

  1. 能力の存在を人に知られてはならない
  2. 人を愛してはならない

なぜ“愛してはならない”のか。兆はこう語る。
「ミッションより大切な存在があってはならない。」「愛はいつだって人を惑わせ、判断を鈍らせます。」「ヒーローの恋はアイドルよりもあってはならない。」

この言葉が、今後のドラマ全体のテーマ「愛と正義」を象徴している。
文太は、愛を選ぶのか、それとも正義を取るのか――。その選択を迫られる日が来るのだろう。


桜介(ディーン・フジオカ)の過去――息子のための罪

桜介の壮絶な過去も明かされる。
かつて“反射系の仕事”に関わっていた彼は、堅気になり、息子・紫苑と幸せに暮らしていた。
しかし、元仲間のヤクザ(広島弁)に再び闇の世界への復帰を迫られ、息子を守るために――殺してしまう。
“花を咲かせる”という彼の能力は、もしかしたら“死を償うための再生”を願った力なのかもしれない。彼は正義よりも、迷わず愛を選ぶタイプです。


第3話のミッション「爆発で人が死ぬのを止める」

お祭りへ出かける直前、文太たちのスマホに届いたミッション77。

「爆発で人が死ぬのを止めろ」
これまでとは一線を画すハードな内容だ。しかも、前回まで対象人物の位置情報がスマホに送られたきたが、今回は具体的に「爆発現場」が明示されている。これが意味するところは、ノナマーレのミッションは“未来”に起きる事象そのものを把握しているということ。
ミッション発令の裏には、時間を超えた監視システムが存在していることが確定。


兆と“狐面の男”の存在

兆が誰かと電話で話すシーンでは、「未確認因子が存在する」という不穏なセリフが。一体誰と喋っているのか?そもそも、社長とボスは同一人物でいいのか?まだまだ謎が多い

祭りでの爆発現場で、狐面の男の姿が登場。その正体は北村匠海。
描写は少ないが、彼は文太たちを監視し会社へ報告する立場なのか、それとも彼自身が兆の言う“未確認因子”なのか。物語の核心へと近づく謎の存在だ。

第1話で兆が言っていた「未来は幹から枝のように別れていく」の表現は、MARVEL「ロキ」シリーズのような時間管理局(TVA)的な概念なのではないか?マルチバースか!冒頭の四季が見る文太が事故死する夢もそれならあり得る。まあ飛躍しすぎてるけど、SFラブロマンスのヒーロードラマですからそのくらい期待しても遜色ない。


衝撃のラスト――四季の覚醒か!?

ラストでは、なんと四季が“Eカプセル”を飲んでしまうという衝撃展開。
文太の大事なカプセルをテーブルに置きっぱなしにしていたのが発端で、「置くなよ!」とツッコミたくなる場面だが、これによって物語は一気に加速する。
四季にも“ちょっとだけエスパー”の力が宿るのか? 

そして、彼女の記憶の真実、マルチバースで違う時間軸から来たのなら納得できる。


まとめ

第3話は、キャラクターたちの過去と本音が少しずつ明らかになるターニングポイント。
愛と正義、罪と贖罪、そして“ちょっとだけ”の力がどう交錯していくのか。
ノナマーレという組織の正体、兆の真意、狐面の男の存在、四季の覚醒――どれも目が離せない。

“ヒーローの恋はアイドルよりもあってはならない”という兆の言葉。
しかし、文太は“人を救うために愛する”ことをやめられるだろうか?
野木脚本はどこか残酷なリアリティを心に問いかける作品が多い。今作もその流れは変わっていない。

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