<あらすじ>
文太(大泉洋)のEカプセルを飲んでしまった四季(宮﨑あおい)に、なんとエスパーが発現!誕生祝いのケーキの蝋燭を吹き消そうとしたその時、フッと吹いた息で文太は縁側まで吹っ飛ばされて――。
後日、たこっぴでは新たに生まれた“吹っ飛ばしエスパー・四季”を迎え入れ、たこ焼きパーティーでどんちゃん騒ぎ。触れるとちょっと心の声が聞こえるエスパー・文太、花咲かエスパー・桜介(ディーン・フジオカ)、レンチンエスパー・円寂(高畑淳子)、アニマルお願いエスパー・半蔵(宇野祥平)と合わせて、”ちょっとだけ”の5人だから《ビットファイブ》と名付けながら記念撮影をする5人。しかし、いよいよ「ノナマーレ」の社長・兆(岡田将生)に報告すべきではないかと不安を覚えはじめ…。
そんな中、兆から緊急招集がかかる。【ある組織が受け渡しを行うアタッシェケースを奪って海中に沈める】という特別ミッションには、なんと人の命がかかっているらしい。
更に文太は兆に居残りを命じられ、衝撃の《使命》を告げられて―?
ついに迎えた決戦当日。
そこに現れたのは、世界を救うミッションを邪魔する《敵》。
HERO vs Villain――。
はたして、戦いの行方は―?
第5話は、これまでの“ほのぼの系能力ドラマ”から一転、一気に作品の根幹へ踏み込むターニングポイント。登場人物の関係性にも、物語世界のルールにも、大きな揺らぎが出始める、まさに“ジャンクション回”でした。
◆ 文太 × 四季、ついに“カップル感”のスイッチが入る回
冒頭からニヤけさせてくるのが、文太と四季の距離感の急接近。
文太が自身の“お触り系エスパー能力”について話し、それを自然に受け入れている四季。2人でちょっとした“能力遊び”を始めてしまうのですが——
いや、宮崎あおい、完全に反則。ラブリー度の破壊力が高すぎる。
さらに文太と四季が同じベッドで就寝するシーンも登場。「え?横で普通に寝るの!?」と視聴者のほうがザワつくほど、すでに“愛が始まってしまっている”気配。でも愛してはいけないんですよ、文太さん。
◆ ビットファイブ結成(?)と会社大丈夫?問題
文太・四季・半蔵・円寂の4人で、まるで“エスパー仲間”として手を取り合う小さなヒーロー軍団のような空気が漂う。
チーム名は「ビットファイブ」!
ただし、会社の業務は……大丈夫なの?四季は正式メンバーになってないのに・・
そんな心配すら湧く、妙に楽しげな仲良し感が微笑ましい。
しかし、この“仲良し世界線”は今回で一気に揺らぎ始める。
◆ 緊急招集と“変わったことは?”の問い
各自に心当たりアリ。次のミッションは命が関わる重大案件
4人に下る緊急招集命令。
「最近、何か変わったことは?」と問われ、それぞれ微妙に心当たりがあるのが気になるところ。
兆曰く、次のミッションは“人命に関わる”重い案件。
ここでの兆の焦り方がすでに怪しい。
◆ タイムラインを変える行為は“正義”なのか?
兆が語る“ジャンクション”と“未確認因子”
ここでついに兆が重大なネタを開示。
- 未来には“一万人が死ぬ大惨事”が存在する
- 兆はそれを阻止するため、文太たちに新たな“ジャンクション(分岐点)”を作らせてきた
- そのジャンクションを邪魔する存在が“未確認因子(=ヴィラン?)”
つまり…
ビットファイブは未来改変を前提に行動しいることになる。
だが未来改変は、いわばタイムスリップものではご法度の王道ルール。
兆の“正義”は本当に正義なのか? ここに大きな疑問が生まれる。
◆ 四季、曖昧な記憶が崩れ始める
“記憶喪失の設定”が歪み始める不穏さ
四季が実家の父親と電話をするシーンで、父が「あれ?誰の話だ?」と訝しむ瞬間がある。
これがきっかけで、四季は自分の曖昧な記憶に不安を覚え始める。
そろそろ “記憶喪失の設定” が辻褄合わなくなってきている…?
◆ 円寂の過去が重い
兆にカプセルを飲めばあなたの人生が変わると言われた円寂。 そして「殺したい相手」とは?
兆が円寂をスカウトした際のエピソードが明かされる。
- 上司との不倫
- 上司の業務上横領の罪をかぶって服役
- その後ホームレスへ転落
- 「カプセルを飲めば人生が変わる」と兆に誘われる
- しかも「殺したい相手」がいると打ち明ける
円寂の背景、重すぎる…。
◆ “セットかと思ったらロケ?”と気になる美術
縁台、室外機、庭の照明…異様なリアリティ
自宅の居間から撮っている四季の背後のボケがやたら綺麗なのも印象的。これはロケかセットか…背景美術が凝りすぎてて目が奪われる。照明考えたら絶対セットですよね?でも微妙な位置にリアルにエアコンの室外機とは、凄いを通り越してマニアック美術さん。さすがだなぁ〜と感服いたしました。同じ10月ドラマの「もしがく」も美術すごいけど、系統が違うというか、センスで全面に出てる気がする。
◆ ウィルステロを止めろ!
ビットファイブ VS ヴィラン3人のカオスな三つ巴戦
ミッション内容が “ウィルステロ阻止” と判明。
青いブリーフケースを海に沈める必要があるらしいが…
なぜ沈める必要があるのか、文太たちは聞かされていない(危険すぎ)。毎度思っているが、ミッションの理由を聞かされないで他人の何かを変えたり、よくできるな。
そのタイミングで、
- 市松の“脱水能力”
- 紫苑の“静電気放電”
- 久条の“モスキート音波”
など、明らかに敵としか思えない3名が登場し、それぞれ互いに“お前たちがヴィランだ”と思い込んで戦闘状態に。
完全なるカオス回。
さらにコンセントの不自然なアップ → 盗聴器発覚。
市松が仕掛けていた可能性濃厚。
半蔵は謎の音波に襲われ倒れ、文太は涙が止まらなくなる。
桜介の前には紫苑が出現する…と怒涛の展開が続く。
◆ 麿赤兒、降臨
“ジャンクションを戻しに来た”謎の老人
突然現れる麿赤兒演じる謎の老人。
指パッチンで相手が消えるという恐るべき能力を持ち、「ジャンクションを戻しに来た」と言い残す。
そして3人のヴィランもろとも消滅。
つまり、“ここにいてはいけない人々だった”という認識でいいのか?
敵か味方かすら不明。
さらに、なぜか四季に視線が止まっていた——ここが恐ろしく引っかかる。
◆ ミッションの正義とは!?
1000万人を救う VS 1万人を救う —— どちらが正しい?
文太が市松の心を読んだ瞬間、
- 市松 → 1000万人が死ぬのを止めるため動いている
- 兆 → 1万人が死ぬ大惨事を止めるため未来を変えている
この2つ、人を助けることには変わりない。例えば、1万人が死ぬ大惨事を止めると、1000万人が死ぬってことで良いのか?それとも、二つとも未来に起きうることなのか?
ここで出てくるのが“シュレディンガーの猫”
=相反する状態が同時に成立している状況の比喩。
つまり、
ビットファイブのミッションは“絶対の正義”ではない可能性が濃厚になった。
◆ ラストの衝撃
今までは事故現場らしき場所で、煙が晴れる →文太が倒れる となっていたが、同じく事故現場らしき場所で煙が晴れる→ 兆に変わる
未来、どこで狂った?事故の規模も変わっている気がするのでもう一度チェックしてみよう。
四季が見るビジョンのラストカット。
- 文太が事故のように倒れている
- 顔を覆う煙が消えると、そこにいるのは兆
そもそもこれは誰の視点か?
四季の視点とすれば、未来の改変が大きく歪んでいる証拠。
兆が避けたかった未来が、ジャンクションの修正によって蘇った?
そして、オープニングの市松のクレジットには
「NONAMAREのESP AGENT」の文字。
単なるヴィランではなく、例えば、別派閥の正義なのかもしれない。
◆ まとめ:
第5話は“正義とは何か”という核心に触れ始めた転換点
- 文太&四季の関係は急に濃密になる。これは絶対愛しちゃうフラグ。
- 円寂の過去が重い。この先、何か関係しそう
- 兆の語る“未来改変”の正義性が揺らぎ
- 謎の老人の登場でジャンクションの定義に謎。このドラマの世界観そのもの。
- 1000万人 vs 1万人 の“正義の衝突”があるのか?
- 四季の記憶の齟齬がいよいよ表面化
物語が一気に“予想不能ゾーン”へ突入した回でした。
第6話、どうやって回収するのか?
そして誰の未来が本物なのか?
ビットファイブの存在意義そのものが揺らぎ始め、作品のテーマが一段階深みに入ったと感じる、非常に濃厚で重要な1話でした。
