「じゃあ、あんたが作ってみろよ」第4話〜大量消費型恋愛体質男子vs昭和ズレ勘違い男

ドラマ

■ ミナトくん=大量消費型恋愛体質男子

鮎美(夏帆)の好きな相手ミナト(青木柚)の元カノが同じバーに何人もいると発覚。
“大量消費型恋愛体質”──初めて聞く言葉だが、しっくりくる。それも脚本家の腕でしょうか。この言葉をどう悩んで紡ぎ出したのか聞きたい。
そんな噂を聞いても、どこか信じたくない鮎美。
「同棲」に憧れている彼女は、もしかすると“無いものねだり”の恋をしているのかもしれないと映りました。


■ 勝男、いまだ鮎美を忘れられず…

一方の勝男(竹内涼真)は、まだ鮎美のことが頭から離れない。
後輩・南川(杏花)に「元カレなんて無関係っすよ」と言われてハッとするも、心はモヤモヤ。
その言葉、誰もが一度は聞いたことある“正論?”の刃
それでも理屈で整理できないのが男の女々しさ。世の中のほとんどが“男は失恋を引きずり、女は前へ進む”のです。観ている男性は共感できるのではないでしょうか。

もはや愛おしさすら感じる勝男、いや竹内涼真がんばれ!結果はわからないけど、


■ 鮎美の変化と気づき

髪を染め、表情がどこか柔らかくなった鮎美。
でもどこかでまた“我慢している自分”に気づいてしまう。
「また同じことを繰り返してる?」
そう感じながらも、彼女はオムライスを作ってしまう。
愛情って、つい身体が先に動くんですよね。鮎美は言うならば“我慢する体質”


■ 勝男の「反省ループ」と南川の存在感

そんな彼のそばで存在感を増してきたのが後輩・南川。
杏花さんの演技が本当に絶妙で、自然体のリアルさと温かさが光る。
竹内涼真との会話シーン、テンポも表情もすんなり入ってくる。滑舌もいい。一歩間違うと、後輩と付き合っちゃえばいいのにと思ってしまう。


■ 感情移入せずにいられない

理屈っぽく、面倒くさい男・勝男。
でも竹内涼真がこのキャラにここまでハマるとは思わなかった。
鮎美は「トイレットペーパーはシングルじゃなくてダブル」「ラクトアイスじゃなくてアイスクリーム」など、元カノのそんな情報をわざわざ知ってるだけでもキモい気がするが。

脚本家は劇団アンパサンド主宰として作・演出を手がける安藤奎さん。第1話が衝撃の勝男勘違いセリフ連発で忘れがちだが、ドラマ全編ディティールにこだわったセリフがドラマを下支えしている。普通の何気ない会話を底上げして、聞き終わるとじわりと刺さる。
元カレ勝男とミナトの会話にも、誰もが経験ある“気まずくて瞬間”も丁寧に描いている。ミナトのセリフには重さが微塵もない。でも聞く立場が変われば刺さる言葉。とても素敵なセリフが多いと感じるドラマです。

マンガのようなコマ割りで進んでいくドラマ。そのメリットはセリフが頭に残るのは、その表情、仕草を“言葉と画”のセットで覚えてしまうから。デメリットは・・地上波のラブコメドラマということであれば特になし。そういえばこの枠のドラマはそういう作りですね。今回の「じゃあつく」は脚本がそれを意識して作られているからかも知れません。

特に勝男と鮎美のセリフは、観ている人によっては善悪がまるっきり逆になるようにできている。


■ タイムマシンがあっても…

最後のモノローグが印象的。
「タイムマシンがあったとしても、どこからやり直せばいいかわからない」反省ループ状態の勝男がもはや現実的ではない思考に陥るところも、一旦ここまでで終了フラグ。ここから先は何か新たな展開が待っているはず!
勝男の未練と鮎美の自立、二人の交差点はもう一度重なるのか?
次回への期待が自然と高まる第4話でした。


まとめ

第4話は登場人物それぞれが自分の恋と向き合う回。見ようによっては、結局勝男と鮎美は両思いなんじゃん!?と感じる。軽妙なテンポの中に切なさとユーモアが絶妙に混ざった回でした。

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