◆あらすじ
ミナト(青木柚)が元カノ・関田(芋生悠)と会っているところを目撃し、浮気ではないかと動揺する鮎美(夏帆)。
しかし全く悪気のない様子のミナトは、鮎美が待つ家に関田を連れて帰ってきた挙句、「一緒に飲もう」と提案してくる始末。
しかもミナトは、鮎美が料理を作って待っているのにスーパーでお惣菜を買って帰ってくるなど、マイペースを崩す気配もなく、鮎美は悶々とする。
一方、ミナトに鮎美を託すと決めたものの、未練を捨てきれない勝男(竹内涼真)のもとを、地元・大分から兄の鷹広(塚本高史)が訪ねてくる。
いつも完璧に見えた兄の“苦悩”を知った勝男は、兄を励ますためあることを思いつくが、その思いつきが鮎美をも巻き込んでいく——。
◆元カノを家に連れ帰る男、動揺する女
先週の続きからドラマは始まる。
元カノを家に連れ帰るミナト。うわー、そんなことあるのか?と思わず声が出る展開。
悪気がないのが一番厄介。見ているこちらまでモヤモヤが募る。
◆相変わらずの勝男と、遺伝する“小言体質”
勝男は相変わらず、小言の昭和おじさん。後輩の「爪が伸びすぎてる」と指摘する場面で思わず笑。
やっぱり基本は変わってない。
そしてその“口うるささ”が遺伝であることが判明。
兄・鷹広(塚本高史)と九州料理の居酒屋へ。料理が並ぶと、鷹広のひと言——
「全体的に彩りが足りんな」
出た!必殺・彩りダメ出し。完璧に血筋である。
さらに兄から、父が会社で疎まれているエピソードが語られ、“小言・決めつけ体質”がDNAであったことが確定。
※ここまで親子って似るものか?と思う方もいるかもですが、体感的に9割の人が歳を取るごとに似ていく気がします。自分も含めて。
◆「行かないで」が言えない鮎美
一方の鮎美は、マイペースすぎるミナトの行動に困惑中。
2人で部屋にいると突然——
ミナト「友達集まってるから、近くのカフェに行ってくる。先に約束しちゃってた」
「行かないで」が言えない鮎美。
※同棲といってもいろんなパターンがあります。
自由恋愛の延長でたまたま一緒に住むケース、深い関係を経て生活を共にするケース。住むと生活って違うんですよね。でも実際ドラマと同じような感じで「夜来るなら合鍵渡すね」→週2が週7へ➡︎「ほぼ同棲」→「じゃあ一緒に住もう」みたいな流れ、実際かなり多いのでは?
◆兄を励ます「とり天」プロジェクト、発動!
兄・鷹広の悩みを知り、勝男は兄を励ますために“とり天”を作るプロジェクトを思いつく。
スーパーでばったり会った鮎美&ミナトを巻き込み、奇妙な料理プロジェクトがスタート。
以前、鮎美が兄に作って好評だった「とり天」。彼女のアドバイスをもとに調理が進む。
そのやりとりが妙にしっくりしていて、どう見ても“仲良しカップル”。
竹内涼真の悪気のない屈託のない笑顔がすべてを中和してしまう。
爽やかに“不器用男”を演じさせたらNo.1。新ジャンル確立といっていい。
◆兄の悩み、そして「心に閉じ込めないで」
九州に帰る兄へ“とり天”を届けるため、後輩の彼女が空港まで車を出す。なんて優しい世界。
空港のロビーで兄に渡すシーンは、まるでラブコメ漫画のような展開。
「そんなわけないだろ」と思いながらも、テンポの良さで押し切られてしまう。
強くて何でもできると思っていた兄が、実は苦しんでいることを知り、勝男は涙。
「心に閉じ込めないで欲しい」
その言葉が、見ていた鮎美の心にも刺さる。
鷹広が抱えていたのは、妻との“不妊治療”について。男性側にも原因があることが判明することもあるので、嫌がる男性もいるとのこと。男失格の烙印を押されることになるかららしい。
センシティブなテーマをさらっと入れてくるあたり、このドラマのバランス感覚は本当に巧い。
◆料理がつなぐ心。これは「料理ドラマ」だったのか
そして、第5話にして遅すぎなんですけど気づく——
このドラマ、実は“料理ドラマ”だった。
筑前煮、おでん、出汁、オムライス、そして今回の“とり天”。
どの料理にも「愛情」と「苦悩」が詰まっている。
“美味しいものを食べれば幸せ”は当たり前ではない。
そこにどんな思いが染みているのかを描く、まさに“味染みヒューマンドラマ”だ。
◆ラスト、結婚ワードに揺れるミナトが衝撃告白
物語の終盤、鮎美はミナトに「元カノと会うのをやめてほしい」と伝える。
その流れで、不意に出た“結婚”という言葉。
その瞬間、ミナトの表情が変わる——。そして「別れよう」の衝撃告白。
◆第5話のまとめ
勝男が人間として少しずつ成長している一方、鮎美は“偏差値が高すぎるがゆえの迷子状態”。
もし全10話構成なら、今回がちょうどミッドポイント。
それぞれの“人生の味”が、ようやく染み始めた中盤戦。
いよいよ物語は佳境へ向かう。
🧂【ポイントまとめ】
- 勝男&兄の「小言DNA」発覚回
- “とり天”で描く兄弟愛と再生
- センシティブな不妊治療問題を自然に挟む脚本力
- 勝男と鮎美、恋愛の学習の成果が少し見えてきた
