一言、面白かった!
1時間あっという間に経った。テンポの良さとある意味わかりやすい演出。共感というか、「あるある」というか。 むかつきそうなくらい天然バカな男・勝男(竹内涼真)と控えめな彼女・鮎美(夏帆) いやもう、ど天然? 素晴らしい “やばい男” の芝居なのか、竹内本人が素でやってるのかわかかりませんが、 セリフの端々が、まるでバラエティで見る竹内涼真そのもの。
そして何より、共感というより、自省しかないドラマでした。変な汗出る。身に覚えが少しでもある男は家族と、特に奥さんと見れないドラマではないでしょうか。
〜あらすじ〜
都心で働く海老原勝男(竹内涼真)は、「女の幸せは家で料理を作ること」と信じる古風な男。
同棲中の恋人・山岸鮎美(夏帆)の手料理に毎日“アドバイス”をするのが日課だった。
完璧なプロポーズを計画するも、鮎美からまさかの「無理」。
失意の勝男は、鮎美が作っていた筑前煮に挑戦するが、思い通りにいかず現実を痛感する。
別れた二人の人生が、それぞれ“変わる”方向へ動き出していく――。
序盤から刺さる「決めつけセリフ」の嵐
冒頭から、しつこいくらいの決めつけ発言。 でもそれが後半へのフリになっていて、脚本がうまい。これも最近のドラマで重要視されるテンポのなせる技か。
勝男が社食で料理に口うるさい場面から、同棲中の家への帰宅「スリッパ出してる!昭和か!」と感じつつ、 夕食の注文の付け方、見てられない… 食卓で彼女・鮎美(夏帆)に言い放つセリフ。
「サバの味噌煮、臭みがない!」
「もうちょっと彩りを入れた方がいい」
…やばい。俺も言ったことあるわ。
コミカルに描いてますが、これって「モラハラ・パワハラって悪気なくてもこうなるよ」っていう典型。 リアルで痛い。痛すぎる。たぶん本人は感想をそのまま言っているだけなんです。奥さんにバキ打ちされたことがあるのでよくわかります。
夏帆の“悲壮感のある顔”が秀逸
プロポーズシーンでの夏帆さんのお芝居、圧巻でした。 その手前から考え込む表情、沈黙、そして笑顔。 「幸せそうなのに、どこか不安げ」な夏帆の佇まいが最高。こういう役をやらせたら本当に上手い。木村多江さんが幸薄い女性No.1なら、夏帆さんは悲壮感ある女性No.1かも知れません。
あの“大きな目が笑ってるのに笑ってない感じ”。 不幸を押し付けられている女性のリアルが滲む。涙が出るわけでもなく、訴えかけるような瞳。
合コンシーンと料理対決での“ズレ”が秀逸
合コンでも勝男はずっと的外れコメントの連発。 本人は悪気なし。むしろ得意げ。
「カレーは料理じゃない」
筑前煮を自分で作ろうとするが、大失敗。そして 「めんつゆ」を使った後輩の肉じゃがに対して、
「めんつゆは邪道じゃない?」
…もう黙れ勝男。笑 最高でした。
ドラマとしての構成や映像も見事
テンポのいい構成で、おもろエピソードをテンポ良く切り取って見せる。 全体的に漫画的でテンポが軽快。 原作も気になってくる。
勝男のリビングの照明。ちょい暗めで温かい。 “リアルな家っぽさ”が絶妙。 こういう生活感の出し方、上手いなと思いました。
衣装も地味にツボ。 竹内涼真のシャツやパンツの色味が90年代のトレンディドラマ風で懐かしい。 これ、おじさんおばさん世代には妙に刺さるやつ。トレンチコート、結構形古めじゃない?それとネクタイとシャツの色あわせが営業色とはいえ、派手というかズレてる?今時の営業マンってこんなだっけ?全部仕込みに見えてくる。
まとめ
このドラマ、家庭内や友人関係など、半径2メートルの共感が詰まってる。 「面と向かって言えないけど、実はみんな思ってること」をセリフで代弁してくれてる感じ。
10話トータルで1本の作品とするなら、
- 第1話は勝男の“痛みの自覚”
- 第2話は鮎美側の視点
そんな構成になりそうです。
竹内涼真=勝男。 まさに“ハマり役”。 このズレたバカ男、もう少し見ていたい。
次回への期待
第2話がどう鮎美の心情を描くのか。
このまま“反省と成長の物語”として、追いかけたくなるドラマです。まだ全部見切れていませんが、初回ドラマ視聴の中で個人的には1位です。

